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映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』レビュー

レッド

” 公開してくれたことに感謝”

テレビアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の外伝作品で、本作でアニメーションを制作してるのが京都アニメーション。

作画、音楽、演出、ストーリーと全てにおいて最高品質なアニメーションを制作し続ける京都アニメーションの作品でもあるので鑑賞しないという選択肢があるはずもありません。

そして実際鑑賞した感想としましては、やはり京アニって天才達の集まった素晴らしい会社なのだと改めて感じさせられました。

結末のネタバレは控えますが、一応ネタバレ注意でお願いします。

それでは、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』レビューをしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

作品紹介・あらすじ

京都アニメーション制作の人気アニメで、2018年にテレビ放送およびNetflixで世界配信された「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の新たな物語を描く外伝。

愛すること、愛されることを知らずに育った主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンが、「自動手記人形」と呼ばれる代筆業に就き、さまざまな依頼人からの思いを手紙にしたためていく中で、次第に愛を知っていく姿を描く。

外伝となる本作では、良家の子女のみが通うことを許される女学園を舞台に、未来への希望や期待を失っていた大貴族の跡取り娘イザベラ・ヨークと、彼女のもとへ派遣されてきたヴァイオレットとの出会いから生まれる物語を描く。

監督はテレビシリーズで演出を担当した藤田春香。新登場キャラクターのイザベラ・ヨーク役に寿美菜子、テイラー・バートレット役に悠木碧。

2019年製作/上映時間90分/G/日本
配給:松竹

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形 : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)

評価点

  • イザベラとテイラーのキャラクター
  • ストーリー構成、アニメーション(作画のクオリティ)、音楽と全てが完璧

イザベラとテイラーのキャラクター

本作はイザベラとテイラーの話の二部構成となっており、本編の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは異なった構成となっています。

本編の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、ヴァイオレットがドールの仕事を通して人々の心にふれて愛を知る物語となっていますが、本作では完全にイザベラとテイラーがメインのストーリとなっています。

ヴァイオレットは本作では二人のサポートをする立ち位置となっていますが、テイラーのキャラクター性はドールになることを決意したヴァイオレットと重なる。つまり、ドールになる前のヴァイオレットとドールとして人々の心を理解することができるようになった現在のヴァイオレットを描いていることになります。

右も左も分からないテーラーが配達の仕事を通して配達の仕事の魅力を知っていく姿は、ドールとしてお客様の言葉の中から、本当の気持ちを知るドールの魅力を知っていくヴァイオレットと重なります。

また、テイラーに言葉や仕事を教えるヴァイオレットの姿を見ていると、最初人の気持ちが全く理解できなかったヴァイオレットが、もう立派なドールなんだなと感動させられました。

イザベラとテイラーはお互いにとって大切な存在なのですが、意図せずに引き離されてしまいます。イザベラにとってテイラーという存在の大きさが劇中のストーリーから伝わってきますし、テイラーにとってもイザベラに想いを伝えたいというのが巧みに描写されているため、二人を応援したいと思えます。

ラストは、もう自分の気持ちを伝えることも出来ないと思っていた人に自分の気持ちを伝える希望があることを示している点において、ヴァイオレットとギルベルト少佐の現状ととイザベラとテイラーの物語をシンクロさせており、外伝という枠を越えて『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本編の物語のハッピーエンドを期待せずにはいられない気持ちにさせられます。

一本の映画としてのクオリティも高く、本編の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の期待値も上げていく京アニには感服させられました。

ストーリー構成、アニメーション(作画のクオリティ)、音楽と全てが完璧

テイラーの物語の中で重要なキャラクターがベネディクトです。本編の方ではヴァイオレットの話がメインとなっているため、活躍の機会があまり与えられてない印象ですが、永遠の自動手記人形ではテイラーが経験する仕事ということもありベネディクトと彼の仕事である配達員としての仕事にフォーカスされています。

本編で活躍させるための尺が充分とれていない部分にスポットを当てて、本編と異なる視点から「ヴァイオレットエヴァーガーデン」を作り上げていく手法は外伝だから実現できたことであり、それだけでも本作永遠の自動手記人形を観る価値があります。

また、アニメーション会社が京都アニメーションということもあり作画のクオリティは一級品で背景の絵は当然のことキャラクターの表情まで素晴らしいです。キャラクターの表情から気持ちを読み取れるというのは映画においては非常に大切なことで、セリフで心理状況などを全て説明してしまう三流の映画をよく見かけますが、本作はそんな駄作とは一線を画す作品となっています。

また仕事というのは大変であるというのは当然ですが、辛いことだけでなく仕事の素晴らしい一面をヴェネティクトと仕事するテイラーを通して描いているのは仕事を題材にする映画として誠実だと感じました。

ストーリー、作画、音楽、キャラクターと全てにおいて最高品質な映画であり、外伝ということもあるので『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本編を視聴済みの人はもちろんですが、未視聴の人でもこの映画をきっかけに本編の視聴を決断するのもありだと思います。


総評

京都アニメーション放火殺人事件の影響で公開の延期や中止すら危ぶまれていた状況の中で公開してくれたことには感謝しかありません。それだけの高い完成度の映画となっていました。

テイラーとイザベラのストーリーとヴァイオレットとギルベルト少佐の現状をシンクロさせることにより映画としてのクオリティを高めると同時に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』本編の期待値を爆上げしていく作品に仕上げてきた京都アニメーションの凄さに感服させられました。

京都アニメーションが「災禍に見舞われたスタッフを含め、制作に参加した全員の生きた証しです」とのコメントを出し、京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者も含めて制作に参加したスタッフ全員の名前をエンドロールに出したという話があるように、この作品には映画に対して誠実で制作陣の魂が映画を通じて伝わってくるようでした。

ストーリー、音楽、キャラクター、作画と全てにおいて完璧な作品ですので、この作品を鑑賞する前に本編の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観ておいた方が良いのはもちろんですが、この映画を入り口にするのもありだと思います。

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