映画評価

”アイドル映画なのに主人公がクズ、賛否両論の怪作『トラペジウム』”

レッド

映画『トラペジウム』レビュー

標題の通り、この映画ではアイドルを夢見る主人公東ゆうが東西南北の美少女を仲間に入れアイドルグループを作り芸能界入りを目指すストーリーです。

本作の面白いポイントとしては、原作者である高山一美が当時実際に乃木坂46一期生としてアイドルであったところ。一般的には煌びやかに描かれるアイドル作品とは対照的に、アイドルの裏の部分をアイドル経験のある高山一実がリアルに描いているところだと思います。

口コミなどを見ると、面白いと言って絶賛している人と、面白くないと言って酷評しているいる人どちらも同じくらいいて賛否両論といったところです。興行収入的にも大コケしており爆死しています。

私の感想としてもどちらの感想にも納得できるし評価の難しい映画だと感じました。その理由を解説していきたいと思います。

既に上映は終了してしまっており、アマプラやネットフリックスなどのサブスクやDVDやブルーレイでの鑑賞のみになってしまっています。

それでは、映画『トラペジウム』のレビューをさせていただきます。

ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。

作品紹介・あらすじ

引用:映画『トラペジウム』本予告 2024年5月10日公開

あらすじ・キャスト

アイドルグループ「乃木坂46」の1期生として活躍した高山一実が、現役アイドル時代の2016年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載した長編小説「トラペジウム」をアニメーション映画化。

アイドルになることを夢見る高校1年生の東ゆうは、「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」という4つの条件を自らに課し、高校生活を送っている。ゆうが通う城州東高校は、城州地域の東に位置しており、ゆうは他の3つの方角にある高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進めていく。各方面で大河くるみ、華鳥蘭子、亀井美嘉という仲間を見つけたゆうは、文化祭などのイベントを通して彼女たちと結束を強めていく。次第に注目を集めるようになった4人はテレビ出演のチャンスなどをつかみ、ついにはアイドルデビューのプロジェクトも動き出す。しかし、夢への階段をのぼり続けていくなかで、大きな問題に直面する。

「ぼっち・ざ・ろっく!」「SPY×FAMILY」を手がけるアニメーションスタジオのCloverWorksが制作を担当。監督は「ご注文はうさぎですか?」「青春ブタ野郎」シリーズなどの人気アニメの演出に携わってきた篠原正寛。東ゆう役を新進の声優・結川あさきが担当し、ゆうの仲間となる少女たちを羊宮妃那、上田麗奈、亀井美嘉が演じる。また、ゆうの計画の協力者である工藤真司役を「JO1」の木全翔也、ゆうが出会うボランティア団体のお爺さん・伊丹秀一役を「ウッチャンナンチャン」の内村光良が務める。

2024年製作/94分/G/日本
配給:アニプレックス
劇場公開日:2024年5月10日

トラペジウム : 作品情報・声優・キャスト・あらすじ – 映画.com

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感想

主人公がクズでサイコパス

この映画の土台部分として主人公である東ゆうの性格が終わってます。絵にかいたようなクズで自分の夢を叶えるために仲間の気持ちも考えない、自分のことしか考えられない狂気じみた性格をしています。

主人公はアイドルに対して強い憧れを抱いており、アイドルを見て「人って光るんだ」というセリフからも分かります。アイドルになれば幸せなのだから、東西南北の仲間をアイドルになれば幸せでしょって考えなため一応主人公としては思いやりの気持ちみたいですが、やばい奴であることは間違いないでしょう。

この主人公の性格の悪さが本作を、面白いという意見とつまらないという意見で賛否両論にしている最大の理由です。主人公の魅力がないのは物語の中の強烈なセリフ「そんなのおかしいよ」や「友達にならなければよかった」などからも作者が意図していることが分かります。

では、何故性格悪い主人公にあえてしているのか、それは作者の作品を通じて伝えたい事「アイドルになることは幸せなのか」を主人公の視点とその他の登場人物の視点で描きたかったからで、この描き方は有効的に作用していると感じました。

それは、東ゆう以外はアイドルに最初からなりたかった訳ではなく、皆と一緒に楽しく活動したかった。それが、アイドルとして人気を獲得することが目標になってしまいアイドルデビューした後もこのままの自分で良いのか、こんな人生で良いのかという葛藤が多く描かれます。

アイドル映画は基本的にデビューしてからの話が多く夢を与えることが目的の作品が多い中で、アイドルとは何かという斬新な切り口で元アイドルが描く怪作というのは個人的には面白いと思いました。しかし好きか嫌いかで言えば、性格悪い主人公に終始イライラさせられるのと、ギスギスした人間関係に最後まで疲れるからです。

結論としては、面白いと絶賛される人の評価も分かるし、つまらない、面白くないと批評する人の気持ちも分かる不思議な映画です。興行収入的に見れば大コケして爆死してますが、敢えて王道路線を外したアイドルの裏側を描く作品なので刺さる人には刺さる映画だと思います。

サブスクでも観れる映画なので、一度鑑賞してもらいたい映画です。そして、好きか嫌いかハッキリ分かれる賛否両論な怪作です

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