映画評価

映画『屋根裏のラジャー映画』レビュー

レッド

”トイ・ストーリーの二番煎じ”

制作会社は『メアリと魔女の花』スタジオポノックスタジオジブリ作品ではないものの、既視感の強い映画でスタジオジブリ風の作風とsekai no owariの主題歌だけでヒットしたという印象です。

この映一番の不安要素が監督である百瀬義行。過去に二ノ国というクソ作品を世に放ってしまった監督ですが、本作でもその不安が的中してしまい、興行収入的にも爆死してしまっています。

ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。

それでは映画『屋根裏のラジャー映画』のレビューをしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

作品紹介

この冬、『メアリと魔女の花』のスタジオポノックが全世界に贈る待望の最新作!
ようこそ、イマジナリの世界へ。

長編第一作『メアリと魔女の花』が150の国と地域で公開され、世界で高い評価を獲得したスタジオポノック。子どもとすべての大人たちに美しい手描きアニメーション映画を作り届けるという志のもと、常に新たな挑戦を続けるスタジオポノックが、この度、長編アニメーション最新作『屋根裏のラジャー』を発表します。

原作は、イギリスの詩人・作家のA.F.ハロルドによる「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)。想像の世界から生まれたイマジナリーフレンドの視点で語られる本作は、発表されるやイギリス文学協会賞受賞を皮切りに、ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞など、数々の文学賞にノミネートされ、各有力メディアからも絶賛されました。

現実と想像が交錯する世界で起こる、人間には見えない大冒険という特異な題材。スタジオポノックが得意とする精緻で美しい背景美術と圧倒的なアニメーションの数々。そして、日本初となる新たな技術を用いた光と影の演出により更なる深化を遂げた手描きアニメーション。監督の百瀬義行を中心に日本最高峰のクリエイターたちが、私たちのすぐ傍らにいるイマジナリの物語をエモーショナルに描き出します。

「父と子、母と子、そして見えないところで懸命に生きる世界中の私たちの物語」として、この冬、あらゆる世代の心を揺さぶるファンタジー超大作『屋根裏のラジャー』が誕生します。

主人公は、“誰にも見えない”少年ラジャー。
人間に忘れられると、消えていく――。それが、《イマジナリ》の運命だった。

『メアリと魔女の花』で魅力的な魔女を描いたスタジオポノックが、新たな主人公に選んだのは “想像の友だち”。世界の誰にも見えない少年ラジャーが主人公です。

少女アマンダの想像が生み出したラジャーは、彼女以外の人間には見えないイマジナリ。屋根裏部屋でアマンダと一緒に想像の世界に飛び込んで、歓びいっぱいの毎日を過ごしていました。しかし、イマジナリという存在には避けられない運命があったのです。人間に忘れられると、消えていく。ラジャーは自分の運命に戸惑いながら、一縷の望みを抱き進みます。彼がたどり着いたのは、かつて人間に忘れさられた想像たちが、身を寄せ合って生き続けるイマジナリの町でした。ラジャーと仲間たちの出会いは現実と想像を超えた大冒険と奇跡の始まりだったのです。忘れられていく少年たちの、決して忘れられない物語。この冬、誰も“見たことがない”主人公が誕生します。

アニメーションの、その先へ――
日本とフランスのコラボレーションによる全く新しい手描きアニメーションへの挑戦。

想像されたイマジナリを、映画の中でありありと存在させる――。線で描かれる手描きアニメーションにおいて、登場人物たちの実在感を獲得するのは容易ではありません。本作では、新たなデジタル技術を用いたフランスのクリエイターたちとのコラボレーションにより、手描きアニメーションが実現できなかった質感表現と、光と影による画期的な映像表現に挑戦します。レンブラントやフェルメールといった光と影の画家たちを彷彿とさせる新たなアニメーション表現は、イマジナリと登場人物たちのドラマを力強く描き出します。日本初となるこの手法は、手描きアニメーションを一歩先へと進めるスタジオポノックの挑戦です。

鬼才、百瀬義行監督がすべての仕事人生を懸けて挑む。
現実と想像が交錯する世界を描き切る、日本が世界に誇る最高峰のクリエイターたち。

監督は百瀬義行。スタジオジブリで多岐にわたり活躍し、高畑勲作品の『火垂るの墓』から『かぐや姫の物語』の全作品において重要な役割を担い、「片腕から抜け出して(自分の)両腕」と高畑監督が称えた鬼才演出家が、これまでの仕事人生のすべてを懸けて本作に挑みます。作画監督は、スタジオジブリ退社以降、日本の長編アニメーション映画の第一線を牽引し続ける小西賢一。背景美術はスタジオジブリの美術スタッフが中心になって設立した“でほギャラリー”が参加し、美術監督の林孝輔(『この世界の片隅に』『透明人間』)を中心に、美しく時に残酷なイマジナリの世界を大胆な筆致で描きます。プロデューサーは、『メアリと魔女の花』に続き、『かぐや姫の物語』『思い出のマーニー』で米アカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされた西村義明。スタジオポノックと日本最高峰のクリエイターたちによる、美しくダイナミックなアニメーション映像にご期待ください。

アニメーションに命を吹き込む――
世界で活躍する、実力派俳優陣がラジャーに参加。

主人公のラジャーを演じる寺田心は、アニメーション映画に初参加。本作に特別な想いを持つ中、子どもから大人へ変わる変声前後の繊細な声をプレスコ録音で収録しました。ラジャーを生み出した少女アマンダの声を演じるのは、若き実力派俳優・鈴木梨央。アマンダの母リジーを演じるのは、世界中でその実力を絶賛される安藤サクラ。本作でアニメーション映画へ初参加となります。ラジャーを付け狙う謎の男ミスター・バンティングを演じるのは、国内だけでなく海外の映画監督からも圧倒的支持を受けるイッセー尾形。イマジナリの町でラジャーが出会う少女・エミリに仲里依紗。ラジャーの前に現れる怪しげな猫・ジンザンに山田孝之。アマンダの祖母には高畑淳子が参加します。
さらに、イマジナリの老犬を演じるのは俳優人生で声優初挑戦となる寺尾聰。謎に包まれたオーロラを杉咲花が演じる他、日本を代表する豪華俳優・声優陣が、本作のキャラクターに命を吹き込みます。

ラジャーを包む世界の歌声。
グラミー賞受賞アーティスト、ア・グレイト・ビッグワールドとレイチェル・プラッテンが奇跡のタッグ。イマジナリの世界に響く華麗なる映画音楽が誕生!

数年前、プロデューサーの西村義明が出会った1曲、「Say Something」。この曲でグラミー賞を受賞したアーティストである、ア・グレイト・ビッグ・ワールドの美しいメロディと透明な歌声に魅了されたことをきっかけに、映画の主題歌をオファーしました。「ラジャーの人生は、私たち人間の人生でもある。歓びと悲しみに満ちたラジャーの束の間の人生に重なり、包み込み、心に寄り添い願う歌曲。優しくも力強く歌い上げる歌声で物語を締めくくる主題歌が欲しい。」そんな映画の物語と、映画制作の姿勢に共鳴した彼らがオファーを快諾し作詞作曲を手がけ、映画のラストを飾る主題歌「Nothing’s Impossible」が完成。
さらに「Fight Song」で米国を始め、世界中で大ヒットを樹立し米国で6×プラチナムを獲得した歌手のレイチェル・プラッテンとの奇跡のコラボレーションで、ラジャーと仲間たち、そして家族の物語を紡ぐ、生命力に溢れたデュエット主題歌「Nothing’s Impossible」が誕生しました。
映画音楽は、音楽業界を第一線で牽引する音楽プロデューサーの玉井健二氏 (agehasprings)を中心に、イタリア歌曲「Voglio una casa」、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」など多様な音楽を取り入れ、想像と現実が交錯するイマジナリの世界に彩りを添えた華麗なる音楽が奏でられます。

イントロダクション|『屋根裏のラジャー』公式サイト (ponoc.jp)

あらすじ

彼の名はラジャー。
世界の誰にも、その姿は見えない。
なぜなら、ラジャーは愛をなくした少女の
想像の友だち《イマジナリ》。

しかし、イマジナリには運命があった。
人間に忘れられると、消えていく。
失意のラジャーがたどり着いたのは、
かつて人間に忘れさられた想像たちが
身を寄せ合って暮らす《イマジナリの町》だった

残されたのは無力な自分と、ひとりの少女の記憶だけ。
「屋根裏の誓い」の真実が明らかになる時、
ラジャーは、大切な人と家族の未来を懸けた
最期の冒険へと旅立っていく。

世界は残酷で愛に溢れている。

勝つのは想像か、それとも現実か。
ラジャーと仲間たちの「誰にも見えない戦い」が今、始まる。

ようこそ、イマジナリの世界へ。

『屋根裏のラジャー』公式サイト (ponoc.jp)
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感想

本作は、ディズニーの名作であるトイ・ストーリーと共通点が多く、トイ・ストーリーでは子供であるアンディが大人になるにしたがっておもちゃであるウッディは現在のままの関係でいられなくなる。その中で自分たちの存在意義をシリアスにならない完璧なバランスで描ききったのがトイ・ストーリーです。

この作品も同じで子供が大人になるにつれて想像力を失っていくにつれてイマジナリーフレンドであるラジャーは消滅してしまう。いずれくる別れが分かっていながらも、自分という存在意義を考えるといったテーマ性です。

二つの作品で決定的に異なる点が、見ている人のことを考えて作られているか、作品に込めたテーマ性を伝えるための技量です。これが大ヒットしたトイ・ストーリーと大コケした『屋根裏のラジャー映画』の明暗を分けたのだと思います。

トイ・ストーリーでは、おもちゃは感情があり人間のいないところで人間たちと同じように生きている。そして、人間の前ではおもちゃであり続けなくてはならない。見る人が混乱しないためにもシンプルな設定にして子供から大人まで誰でも入り込めるように工夫されています。

ところが、本作では子供が想像力を失ってしまったり、命を失ってしまうと消えてしまう設定に、見る人のことなんか考えずに制作側の自己満足で設定が次々と足されていきます。

子供にとっては設定を理解するのは難しいですし、大人にとっては理解するのが面倒くさい。似たようなテーマ性を描いているのに面白い作品とつまらない作品とで明確になっているのは不思議です。

アマンダのエピソードであったり良い点もありますが、同じテーマ性であれば見やすくてストーリーとして完璧にまとまっているトイ・ストーリーを見ればいいだけで、あえてこの作品を見る利点は少ないかなといった感想です。

前作の『メアリと魔女の花』から、”何かの二番煎じ”という部分が受け継がれてしまっていて、それはスタジオポノックという会社のイメージにも繋がってしまいました。

トイ・ストーリーを真似ようとして失敗していく映画を見るたびに、トイ・ストーリーの偉大さを改めて思い知らされます。それに気づかせてくれただけでも本作を見た価値はあったと思いたいです。

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