映画『#マンホール』レビュー
”色んな意味で汚い役をやりきった中島裕翔”
監督は「私の男」「海炭市叙景」の熊切和嘉。主演は「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔となっています。
映画の大半の時間がマンホールの中という挑戦的な作品ではありますが、SNSの描き方を良い所だけでなく、使い方を間違えれば恐ろしいものにもなるところを上手く描けていたため、見る前よりも評価している映画です。
ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。
それでは映画『#マンホール』のレビューをしていきたいと思います。
作品紹介・あらすじ
作品紹介・あらすじ
「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔が6年ぶりに映画主演を務め、マンホールに落ちてしまった男の苦闘を描いたシチュエーションスリラー。「ライアーゲーム」「マスカレード・ホテル」シリーズの岡田道尚によるオリジナル脚本で、「私の男」「海炭市叙景」の熊切和嘉監督がメガホンをとった。
勤務先の不動産会社で営業成績ナンバーワンの川村俊介は、社長令嬢との結婚も決まって将来を約束されていた。しかし結婚式の前夜、渋谷で開かれたパーティで酩酊し、帰り道にマンホールの穴に落ちてしまう。深夜、川村は穴の底で目を覚ますが、思うように身動きが取れず、スマホのGPSは誤作動を起こし、警察に助けを求めてもまともに取り合ってもらえない。なんとか連絡が取れた元カノに助けを求めることができたが、自分のいる場所がどこかわからない川村は、「マンホール女」のアカウントをSNS上で立ち上げ、ネット民たちに場所の特定と救出を求めるが……。
中島が主人公・川村役を演じるほか、川村の元カノ役を奈緒、川村の同期社員役を永山絢斗がそれぞれ演じる。2023年製作/99分/PG12/日本
#マンホール : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)
配給:ギャガ
劇場公開日:2023年2月10日
感想
本作はネタバレをしないようにと公式が言っている作品なのでネタバレは極力避けていきたいと思います。最初見る前は公式が期待を煽るために言っている宣伝のための注意喚起だと思ったのですが実際に視聴するとネタバレをしないでほしいと言うのも納得の作品でした。
本編の大半がマンホールの中での映像となっており絵面としては非常に地味な作品となっていますが、SNSを活用したシーンを多く取り入れてシチュエーション以上に退屈しないように工夫されています。
マンホールの中でスマホを使えるのであれば、簡単に助けを呼べるため簡単に状況を打開することができそうですが、GPSが機能しておらず一部ストーリーとして状況に制限をかけている点も面白いポイントだと思います。
マンホールの中にいるため助けを呼ぶにしても自分がどこにいるのかも分かりませんし、自分の場所を誰かに特定してもらうしか助けを呼ぶすべがなく、そこで活用されるのがSNSということになります。
作品の中でSNSというものをただの便利なツールとしてだけでなく、SNSというものの恐ろしさも同時に描かれていることもリアリティがあって良かったと思います。
主人公である川村俊介が発信した少ない情報からも場所を特定しており、またネット民たちが自らの正義感のために暴走した行動をしてしまったり、上手く活用すれば素晴らしいSNSですが、一方で扱い方を間違えると恐ろしいものでもあることを映画の中で描いているところは好感がもてました。
また、後半の展開もネタバレになるので詳しいことは避けますが、見る人の予想を良い意味で裏切る展開となっており、脚本としては強引で受け付けられない人や、つまらないと感じてしまう人もいるかと思いますが、個人的には話題性だけでのジャニーズを起用した映画よりも評価できる映画だといった感想です。
現在ではwowowやNetflix、アマプラなどのサブスクなどでも見ることができるため、マンホールの中という汚い場所でのシーンが多いため地味なシーンが多い作品ではありますが気になる人は一度観てみても良い作品だと思います。