映画評価

映画『ナイル殺人事件』レビュー

レッド

”ミステリー作品として面白くない”

アメリカとイギリスの共同制作作品でアガサ・クリスティ原作のミステリー映画と言うことで非常に期待していた作品でした。

それも、ミステリーというジャンルが好きなジャンルで2017年公開の「オリエント急行殺人事件」が楽しめたので、その続編にあたる「ナイル殺人事件」は公開前から注目していた映画でした。

女優のガル・ガドットも『ワンダーウーマン』を観てから注目していた作品でしたが面白い作品になることを半ば確信して観に行きましたが、ミステリーとしては面白くない作品と言った感想です。

ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。

それでは映画『ナイル殺人事件』のレビューをしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

あらすじ・キャスト

上映時間:約127分

劇場公開日:2022年2月25日

ジャンル:サスペンス

愛の数だけ、秘密がある。「世界一売れている作家」アガサ・クリスティ原作。“世界一の名探偵”ポアロが挑む、エジプトの神秘ナイル川をめぐる極上のミステリー・クルーズ。大富豪の美しき娘の新婚旅行中に、クルーズ船内で起きた連続殺人事件。容疑者は、乗客全員──。豪華客船という密室で、誰が何のために殺したのか?そして、ポアロの人生を大きく変えた≪衝撃の真相≫とは? 愛と嫉妬と欲望が複雑に絡み合う、禁断のトライアングル・ミステリーの幕が開く。

  • キャストトム・ベイトマン (ブーク), アネット・ベニング (ユーフェミア・ブーク), ケネス・ブラナー (エルキュール・ポアロ), ラッセル・ブランド (ライナス・ウィンドルシャム), アリ・ファザル (アンドリュー・カチャドリアン), ドーン・フレンチ (バワーズ), ガル・ガドット (リネット・リッジウェイ), アーミー・ハマー (サイモン・ドイル), ローズ・レスリー (ルイーズ・ブールジェ), エマ・マッキー (ジャクリーン・ド・ベルフォール), ソフィー・オコネドー (サロメ・オッタボーン), ジェニファー・ソーンダース (ヴァン・スカイラー), レティーシャ・ライト (ロザリー・オッタボーン)
ナイル殺人事件|映画/ブルーレイ・デジタル配信|20世紀スタジオ公式 (20thcenturystudios.jp)

感想

本作はミステリーという好きなジャンルでもあり、ガル・ガドット出演ということもあり非常に楽しみにしていた作品でしたが、結論から述べると期待を越えることはできませんでした。まずタイトルが殺人事件を扱っている作品ですが殺人事件が起きるまで上映時間の半分を費やします。

つまり、ミステリーとして映画を楽しめる時間は1時間足らずしかなくそれまでは1時間近く人間ドラマを見せられます。別に人間ドラマを否定するわけではありませんが、あまりにもテンポが悪くミステリー映画としての感想としては面白くありませんでした。

本作は、ジャクリーンの元婚約者のサイモンがガル・ガドット演じるリネットに気持ちを奪われ、結果としてリネットにサイモンを奪われてしまいます。そのため人間関係が次第に悪化していきます。序盤はこの人間関係を丁寧に時間をかけて描いています。しかし、この人間関係に時間を割き過ぎていて、肝心の事件が起きるまで間延びしてしまっています。

また、ストーリーのテンポだけでなく伏線のはりかたも露骨で無理やりミスリードとなるシーンを盛り込んでいて、犯人となる可能性のある人物を一生懸命増やそうとしているのが作品から伝わってしまいます。

ポアロの推理シーンも推理というりも、尋問した人を犯人と決めつけるというもの。この尋問シーンで現場の不自然なシーンを見せていくわけですが、映像として見せれば良いものをセリフで伝えようとすると、説明臭さが増してしまうと同時に映画全体のテンポが損なわれてしまいます。

そのため、中盤以降からポアロのセリフが前半のセリフ数の少なさが嘘のように目立ち始めます。映画の構成は前半1時間が恋愛、昼ドラマのような人間関係、ラブシーン。中盤30分はポアロの尋問。終盤30分で答え合わせ。尋問シーンは前半がジャクリーンとサイモン、リネット以外のキャラクターが空気なので驚きもないです。それどころか、伏線はるのに必死だなとか前半で描けなかった登場人物の存在感を出すのに必死だなとしか思えませんでした。

アガサ・クリスティの1937年の小説『ナイルに死す』は未読なので原作の評価はできませんが、映画としてのストーリー構成は少なくとも面白い作品できるだけの脚本にはなっていません。

現在では公開日からも日が経ってしまい上映されている映画館は当然ありませんが、dvdやブルーレイなどをレンタルしたり購入したり、amazonプライムやネットフリックスなどのサブスクでも見ることができますので参考にしていただけると幸いです。


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