映画『ドミノ』レビュー
”期待値を上げ過ぎた過剰なプロモーション”
ベン・アフレックとロバート・ロドリゲス監督のタッグで世界中の人達が話題にしていた映画。
「かつてない映像体験、かつてないギミック、かつてないどんでん返し」と期待せずにはいられないプロモーションで、楽しみにしていた映画の一つでした。
では、実際に鑑賞してどう思ったのか参考にしていただければと思います。
ネタバレは多少ありますので一応ネタバレ注意とさせていただきます。
それでは映画『ドミノ』のレビューをしていきたいと思います。
作品紹介・あらすじ
作品紹介
選んだ脚本に外れなし:ベン・アフレック×映像の魔術師:ロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだ本作は、公開されるやいなや、瞬きさえも許さないその挑戦的なストーリーと革新的な映像で一気に話題を浚った。
ABOUT THE MOVIE | 映画『ドミノ』公式サイト (gaga.ne.jp)
刑事:ダニー・ロークは、最愛の娘の行方不明に、心身のバランスを崩しているが、正気を保つために仕事に復帰。
そんな彼のもとに、銀行強盗の予告のタレコミが入る。現場で不可解な動きをする容疑者が、娘の行方に関与している手がかりを見つけたロークは、ふたりの警官を伴って屋上まで男を追い詰めるも、警官は突然暗示をかけられたようになってお互いを撃ち殺し、男は屋上から飛び降り姿を消す。
決して捕まえられない男を追い、現実と見紛う〈世界〉に踏み込み追い詰められていくロークはやがて─。
次々に、はまっていくどんでん返しのドミノの連鎖。ラストに待ち受けるのは、想像の3周先を行く驚愕のラスト。
必ず、もう1度観たくなる。世紀のアンリアル・エンターテインメント!
あらすじ
オースティン警察の刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は、最愛のひとり娘ミニーを失った悲しみから立ち直れずにいる。容疑者が逮捕されたにもかかわらず、彼は誘拐したことも、どこに連れて行ったのかもまるで思い出せないというのだ。そんなある日、ロークと相棒ニックス(JD・パルド)は、特定の貸金庫を狙った強盗が計画されているという匿名の通報を受け、銀行に向かった。
ABOUT THE MOVIE | 映画『ドミノ』公式サイト (gaga.ne.jp)
隠れて監視するロークが目を付けたのは、銀行の外にいたひとりの怪しげな男(ウィリアム・フィクナー)。その男が隣の見知らぬ女性に話しかけると、女性は突然奇怪な行動を取り始める。そんな様子を見たロークは急いで貸金庫に駆けつけ、男より先に到着。目的の金庫を開けると、中に入っていたのはなんとミニーの写真だった。写真には、「レヴ・デルレインを見つけろ」と書かれている。ロークはふたりの警官を伴って屋上まで男を追い詰めるも、警官は突然暗示をかけられたようになってお互いを撃ち殺し、男は屋上から飛び降りた。すぐに見下ろしたが、地面に男の姿はない。いったい、何が起こったのか。
この出来事がミニーの失踪に関係していると信じるロークは、匿名の通報者の居場所をたどりあてる。そこにはダイアナ・クルス(アリシー・ブラガ)という名の占い師がいた。人の心を操る能力を持つ彼女は、男の正体を教えてくれる。彼とクルスはかつて同じ秘密組織に所属していたというのだ。そこにミニーはどうつながるのか。次々に危険が降りかかる中で、ロークはその答を探そうとする。
感想
本作のプロモーションは明らかに過剰なプロモーションで期待を大きく上げ過ぎたため正直悪い映画ではないですが、期待値を上回ることはなかった映画でした。
プロモーションの内容としましては「かつてない映像体験、かつてないギミック、かつてないどんでん返し」とこれまでの映画作品にはない斬新な演出やストーリーが盛り込まれているのかと錯覚しそうになるようなキャッチコピーですが、本作を鑑賞して斬新だと思うような映像体験をすることはできませんでした。
また「ひと押しで世界は崩れだす」といったキャッチコピーもありますが、そのようなシーンや展開は全くと言っていいほどありませんでした。さらに、キャッチコピーから見るとミステリー要素の強い作品なのかと思いますが、映画のジャンル的には完全にSF映画で物語の構成自体はミステリーなのですが、ヒプノティックという超能力の存在がある時点でミステリー映画というよりもSF映画に近いといった印象でした。
ミステリー映画において販促ギリギリなヒプノティックという超能力があることで観ている人にとっては物語を追って推測していくと思いますが、登場人物たちは超能力で真相を明らかにしてしまうため、推理をする楽しさというのは全くありません。
もっとヒプノティックという能力にリスクとリターンの要素があれば楽しめたと思いますが、この能力においては得られるリターンにおいて、その代償となるリスクがあまりにもなさすぎるのは面白くない要素になってしまっていると思います。
また、後味が悪いラストの展開も個人的にはいただけませんでした。キャッチコピーのどんでん返しは実際は超能力によって実はこうでしたと後出しじゃんけん的な要素となっているといっただけでした。
これはプロモーションからミステリー映画として期待して鑑賞した人のレビューなので完全にSF映画として割り切って観に行った場合は、また違った感想になると思います。