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映画『劇場版ポケットモンスター ココ』 レビュー

レッド

コロナの影響で延期となり年末上映となった不運の名作

アニメポケットモンスターでは、26年間主人公を務めてきた交代すると話題となっています。2020年コロナの影響で上映が延期となり、映画の興行収入が見込めない年末に上映することになってしまった「劇場版ポケットモンスターココ」内容は非常に完成度が高いが、興行収入では非常に苦しい数字となってしまった。今回はそんな不運の名作「劇場版ポケットモンスターココ」のレビューをしていきます。

作品情報


ポケモンと人間の、
ちょっと変わった親子の物語。

人里から遠く離れたジャングルの奥地。
厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園、
オコヤの森があった。

そこで仲間たちと暮らしていた頑固者のザルードは、
ある日、川辺で人間の赤ん坊を見つける。

「ニンゲン、これが……」

見捨てられないザルードは、
森の掟に反して、赤ん坊をココと名付け、
群れを離れてふたりで暮らすことを決意する。

ポケモンが人間を育てる生活が始まって10年。
ココはオコヤの森にやってきたサトシとピカチュウに出会う。
初めてできた「ニンゲンの友達」。
自分のことをポケモンだと信じて疑わなかったココの胸の中に、
少しずつ疑問が芽生え始める。

「父ちゃん、オレはニンゲンなの?」
自分はポケモンなのか? それとも人間なのか?
悩むココだったが、ある日、
招かれざる人間の足音が森に近づいてきて、
平穏な日々が一変する――。

引用 https://www.pokemon-movie.jp/story/index.php

評価点と解説

  • 起承転結の物語が秀逸
  • 作画のクオリティが高い
  • メッセージ性があり複雑でない

起承転結の物語が秀逸

ポケモンと友達になるというのはアニメポケットモンスターでは幾度も描かれてきました。

言葉も生態系も違う生物同士でも心を通わすことが出来ると、しかし本作では友達という枠組みから親子になるという一歩踏み込んだテーマを描いています。

始めは人間の子供を育てることに抵抗のある「ザルード」ですが徐々に「ココ」を本当の家族のように思うようになる。その流れが非常に綺麗にまとまっています。

また、ポケモンに育てられた「ココ」の方にも気持ちに変化が訪れていきます。

「サトシ」と「ピカチュウ」が前に主張しすぎず、「ココ」と「ザルード」の関係に最後までフォーカスした点も非常に評価できるポイントです。


作画のクオリティが高い

本作を手掛けた監督は「アニメポケットモンスターXY」及び「アニメポケットモンスターXY&Z」を手掛けた矢嶋哲生監督。

シリーズの中でも屈指の作画クオリティを誇る「アニメポケットモンスターXY」、「アニメポケットモンスターXY&Z」その作画のクオリティが本作でも遺憾なく発揮されています。

キャラクターに当たる光も丁寧に描き込んでいるのが分かると思います。

キャラクターや背景のクオリティは当然として、動きの完成度は圧巻。


メッセージ性があり複雑でない

本作を鑑賞して感じたのは子供に向けた作品というよりも、親子で観に来た層をメインターゲットにしてると感じました。

子供を育てる親の目線、大きくなっていくにつれて考え方が変わっていく子供の目線。

子供にはまだ分からないかもしれません。しかし大きくなってからもう一度この作品を観た際に大人と子供のどちらの目線で観ても楽しめる作品であることに気付かされると思います。

親子で観に行き自分も泣かされるとは思わなかったと映画館を後にしたお父さん、お母さんも多かったはずです。

総評

本当に素晴らしい全年齢対象作品というのは子供の時だけ楽しめる作品ではなく、時が経った後改めて再評価できる作品だと思っています

「劇場版ポケットモンスターミュウツーの逆襲」「クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲」などが良い例でしょう。

後半の展開に少し強引さがあるものの家族で楽しめる傑作だと思います。ポケットモンスター(映画)シリーズは面白い作品とつまらない作品がハッキリしているシリーズだと思っています。

ポケモンの映画で何を観ようか考えている方、子供と何の映画を一緒に観るか検討している方は是非本作の鑑賞をお勧めします。

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