映画評価

映画『ベイビー・ブローカー』レビュー

レッド

”是枝監督×韓国映画”

監督と脚本は是枝裕和。

カンヌ映画国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を果たした「パラサイト 半地下の家族」のソン・ガンホが主演で日本公開前から監督や主演を始めとしたキャストともに注目されていた作品でした。

実際、鑑賞してみると是枝監督の映画の持ち味と韓国映画の面白い要素が詰め込まれた作品だと感じました。

映画『ベイビー・ブローカー』レビューをしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

「万引き家族」の是枝裕和監督が、「パラサイト 半地下の家族」の名優ソン・ガンホを主演に初めて手がけた韓国映画。

子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が織り成す物語を、オリジナル脚本で描く。古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンスには、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があった。

ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状する。

「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジンとイは、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追うが……。

ソン・ガンホのほか、「義兄弟 SECRET REUNION」でもソンと共演したカン・ドンウォン、2009年に是枝監督の「空気人形」に主演したペ・ドゥナら韓国の実力派キャストが集結。2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

2022年製作/上映時間130分/G/韓国
原題:Broker
配給:ギャガ

ベイビー・ブローカー : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)

評価点・不満点

是枝監督の映画の魅力は映画のトーンがリアルで現実味があり、自分とは全く異なる思考の登場人物に感情移入させることが卓越しているところだと思います。

「万引き家族」でも子供を誘拐して、その子供に万引きをさせて生活しているような最低な家族のお話でした。しかしストーリーを見ていくうちに普通とは異なる家族に興味深さを感じるようになり共感はできないのですが、家族がどのような最後を迎えるのか興味が出てくる不思議な映画でした。

「ベイビー・ブローカー」も同じで赤ちゃんポストに預けられた子を裏で売買する最低な人たちのお話です。しかし、ストーリーを見ていくうちに登場人物に引き込まれ、是枝監督のキャラクターの描き方の素晴らしさを改めて再確認できました。

モラルという観点で見ると共感できるところは少なく「ベイビー・ブローカー」という作品は評価される映画だとは思いませんが、映画の独特な雰囲気の作り込みそして重いテーマに対して考えさせられる点では必見の映画だと感じました。

またキャストの演技も素晴らしく、キャストの演技力の高さもあいまって社会的には間違った行動をとっている登場人物に関心をもつことができたのだと思いました。

総評

上映時間の多くを登場人物たちの描き込みに費やしており撮影や演出の秀逸さもあいまって非常に興味深さのあるキャラクターとなっています。

赤ちゃんを売買に利用するという、モラルという観点から見ると理解しがたい登場人物たちに次第に引き込まれていく映画の作り込みは、さすが是枝監督といったところでしょうか。登場人物の行動や思考に共感はできないのですが、キャストと脚本、演出などの力で登場人物たちの結末を気にさせていまうのは、是枝裕和節が炸裂しているなといった印象です。

基本的には社会的に間違ったことをしている人たちに焦点を当てた作品で「万引き家族」など是枝監督の制作する映画の特徴がそのまま反映されている作品なので、受け入れられない人には否定的な評価をされるとは思います。

是枝監督の手掛けた作品で、韓国制作の映画なので邦画の中でも独特な雰囲気の映画となっていますが、是枝監督としての邦画の持ち味と、韓国映画の雰囲気をもった唯一無二の映画となっていますので気になる人は一度鑑賞してみることを強くオススメします。

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