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映画「ジョゼと虎と魚たち」 レビュー

レッド

「ボンズ」の2020年アニメ映画を代表する大傑作

過去に実写で一度映画化された映画になります。決して大規模映画ではありませんが、「鋼の錬金術師」など多くの名作を世に放ったアニメーション会社ボンズが手掛けた傑作級の作品であるため、これから解説していきたいと思います。

作品紹介

芥川賞作家・田辺聖子の名編で、2003年に妻夫木聡・池脇千鶴主演で実写映画化もされた『ジョゼと虎と魚たち』が、アニメーション映画となって登場する。描かれるのは、瑞々しく真っすぐな純愛の中、お互いと自分自身を知って前に進んでいく姿。アニメーションだから描き出せる、リアルにしてイマジネーションに満ち満ちた日常の輝き、恋愛のときめき、人生のきらめきがスクリーンと物語からあふれ出る。
恒夫を演じるのは、若手人気実力派俳優の中川大志。ジョゼには、活躍目覚ましい清原果耶。共に国内長編アニメーションの主演声優は初となる。監督は、『おおかみこどもの雨と雪』助監督や『ノラガミ』シリーズの監督を手掛けたタムラコータロー。脚本を桑村さや香、キャラクター原案を絵本奈央、キャラクターデザイン・総作画監督を飯塚晴子が担当。アニメーション制作は、数多くの人気作を手掛けてきたボンズ。また主題歌には、Eveが決定。約5億万回のMV総再生回数を誇り、まさに日常の痛みと喜びを飾らない言葉と洗練されたメロディで切り取る才能が、本作に音楽で寄り添う。
アニメーションと小説、気鋭のキャストとスタッフ、そして恒夫とジョゼ──かけがえのない出会いから新しい時間、止まっていた時間が回り始める。ここにあるのは、心に刺さる等身大の魅力と、心を躍らせるロマンに満ちた“新しいジョゼ”。誰もがきっと、ジョゼで恒夫。誰かと出会い、触れ合い知る、新しい自分と世界。

引用 https://joseetora.jp/

評価点

  • 圧倒的な映像の美しさ
  • 恒夫とジョゼの関係を応援できるシナリオ構成
  • 物語後半の展開

解説

圧倒的な映像の美しさ

キャラクターから背景の作り込みは、やはり「ボンズ」と言うべき。

窓から差し込む光から、光に照らされて影が落ちるところまでリアルな背景をしっかりアニメの作画として落とし込むのは流石としか言いようがありません。

また、作画を見るとカメラで撮影をする時に「ぼかし」というテクニックがあると思いますがその手法も作画の中に取り入れてあることにも驚かされました。

恒夫とジョゼの関係を応援できるシナリオ構成

最初は下肢麻痺で高飛車な言動のジョゼを、単なるアルバイトとして身の回りの世話をしていた恒夫。

夢はあるものの障害を抱えている自分では「届かない夢」とあきらめていたジョゼ。しかし、恒夫は夢をあきらめるなとジョゼに言う。しかしそれはジョゼの立場になったことのない者の言葉、ジョゼには全く響かない。

後半で恒夫は夢があるのに一つ一つ夢をあきらめてきたジョゼの気持ちを痛感する展開がある。そこで恒夫は、どのような行動を起こすのかこれは是非自分の目で観ていただきたい。

恒夫とジョゼ、お互いがお互いの気持ちを理解し共に成長していく関係性は応援せずには観ていられなくなると思います。

物語後半の展開

ネタバレになるので具体的な話は避けますが。物語後半で最も成長を感じられるのがジョゼでした。

誰かが自分のために何かをしてくれるのが当たり前、序盤では常に自分本位な言動や行動が目立つジョゼ。

しかし恒夫との日々で徐々に気持ちが変化し、物語後半では常に自分本位なジョゼからは考えられない展開があります。その展開にきっと感動すると思います。

総評

過去に何度も名作を世に放ってきた「ボンズ」ですが、本作も名作と呼べる1本であることは間違いありません。

圧倒的な映像の美しさ、恒夫とジョゼの関係性の描き方、そしてなんと言っても物語後半の展開。

序盤のジョゼからは想像の出来ない行動、夢をあきらめるなとジョゼの立場になったことのない恒夫が初めて絶望的な状況となりそこからどう成長するのか。

作画、キャラクター、物語全てが高水準にまとめられた2020年を代表する傑作です。

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