”実話のような怖い映画のはずが、最後で駄作確定に後悔しか残らない映画『近畿地方のある場所について』レビュー”

映画『近畿地方のある場所について』レビュー
原作の『近畿地方のある場所について』が「このホラーがすごい!2024年版」で第1位を獲得したこと、また夏ということでホラー映画が見たくなり面白いことを期待して映画館に足を運びました。
しかし、実際に見た感想としては怖くないしつまらない映画でした。ホラー映画の制作の経験もある白石晃士監督なので、面白くない作品であっても背筋の凍るような怖い映画を見せてくれれば満足というレベルでした。
しかし、その低いハードルすら越えられない駄作とは思いませんでした。本当に見た感想として何がしたかったのか意味不明だし、途中までは映画に引き込ませる努力を感じられたのに、何故結末で全てを台無しにしてしまうのか理解に苦しみます。
それでは、映画『近畿地方のある場所について』のレビューをさせていただきます。
ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。
作品紹介・あらすじ
引用:(188) 【主題歌:椎名林檎】映画『近畿地方のある場所について』本予告|2025年8月8日(金)公開 – YouTube

あらすじ・解説
「このホラーがすごい!2024年版」で第1位を獲得するなど大きな話題を呼んだ、背筋によるホラー小説「近畿地方のある場所について」を、「貞子VS伽椰子」「サユリ」の白石晃士監督が映画化。
オカルト雑誌の編集者が行方不明になった。彼が消息を絶つ直前まで調べていたのは、幼女失踪事件や中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件や怪現象の数々だった。同僚の編集部員・小沢悠生はオカルトライターの瀬野千紘とともに彼の行方を捜すうちに、それらの謎がすべて“近畿地方のある場所”につながっていることに気づく。真相を確かめようと、2人は何かに導かれるようにその場所へと向かうが、そこは決して見つけてはならない禁断の場所だった。
オカルトライターの千紘役で菅野美穂、雑誌編集者の小沢役で赤楚衛二が主演を務めた。白石監督と「スマホを落としただけなのに」シリーズの大石哲也が共同で脚本を手がけ、原作者・背筋が脚本協力。椎名林檎が書き下ろし主題歌を担当している。2025年製作/103分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2025年8月8日
近畿地方のある場所について : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 – 映画.com

感想
最後で駄作が確定、キャストと椎名林檎の主題歌「白日のもと」の無駄遣い

あらゆる怖いを体感することが出来ると、映画『近畿地方のある場所について』の5分の特別番組でアピールしているのを見かけました。ストーリーはオカルト雑誌の編集者が行方不明になり、彼の行方不明になる前の資料から近畿地方において未解決事件や怪現象など怪奇事件が多く発生していることが分かる。
行方不明となった編集者を見つけるために、また近畿地方のある場所についてとはどこなのか、ホラー映画としてではなくミステリーとしての面白さも見出せそうな可能性のある映画でした。
監督やスタッフの工夫次第でいくらでも怖さレベルを高めることも出来るだろうし、謎解きの面白さも演出できると思いますが、残念ながら怖くもないし、面白くもないというホラー映画としてではなく映画として完成度が低いです。
編集者の残した動画から真実に近づいていく、映像の作り方はこだわりを感じられて素直に評価できます。また近畿地方を舞台とすることで近畿地方の歴史的背景や文化などからある場所がどこなのかを明記しないことで観客の想像力を膨らませることにも繋げられていると思います。
実際は怖がらせようとしてスベっているように感じる部分は多々ありましたが、映画館では驚いている人もいたためここは個人差なのかなといった感想です。
しかしこの映画最大の駄作ポイントは何よりも結末で、序盤から中盤までまるで実話のような演出で没入感を与えていたのにも関わらず、最後の15分ほどで本作が駄作であることを確定させてしまいます。
ホラー映画の醍醐味である部分を削ぎ落し映画自体を凄くチープでつまらない結末にしてしまっているため、完全にキャストの菅野美穂やと椎名林檎の主題歌の無駄遣いに終わってしまってます。
良かったところは、菅野美穂や赤楚衛二などのキャストの演技と椎名林檎の主題歌「白日のもと」だけです。年齢制限はないので誰でも鑑賞可能ですが全くおすすめしない映画です。本当に後悔だけが残ってしまう結末が残念です。
ネタバレになるので具体的な内容については控えますが、アマプラやネトフリなどのサブスクなどで配信されたら見ていただければこのレビューの意味が伝わると思います。
文庫本、単行本、漫画などは未読のため違いなどは語れませんので、原作は面白いのかもしれませんが少なくとも映画自体の評価は微妙です。現在公開されている映画の中で本作『近畿地方のある場所について』を優先するメリットは何一つありません。
