bad movie

映画『永遠の831』レビュー

レッド

“虚無な作品”

WOWOW開局30周年を記念して製作されたオリジナル長編アニメで、「攻殻機動隊 S.A.C.」「ひるね姫 知らないワタシの物語」の神谷健治監督による青春クライムサスペンスということで鑑賞したのですが、本当に虚無でひどい映画でした。

映画『永遠の831』を結末などのネタバレはなしですが、多少のネタバレはありでレビューしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

WOWOW開局30周年を記念して製作されたオリジナル長編アニメで、「攻殻機動隊 S.A.C.」「ひるね姫 知らないワタシの物語」の神谷健治監督による青春クライムサスペンス。「未曾有の大災厄」により世界中が混迷を極める現代。東京で新聞奨学生として暮らす青年スズシロウは、誰にも言えない秘密を抱えていた。高校3年の夏に起こったある事件をきっかけに、自分の意志とは無関係に周囲の時間を止められるようになったのだ。ある日、スズシロウは自分と同じく心に傷を負い、時間が止められるようになってしまった少女なずなと出会う。初めて秘密を分かち合える相手と出会ったスズシロウは、なずなが彼女の異母兄である芹によって犯罪に利用されていることを知り、手を差し伸べる。声優はスズシロウ役に斉藤壮馬、なずな役にM・A・O、芹役に興津和幸。2022年1月30日にWOWOWで放送およびWOWOWオンデマンドで配信、3月に劇場公開。

2022年製作/105分/G/日本
配給:WOWOW

永遠の831 : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)

感想(不満点)

本作では、無駄な要素が多すぎることが最大の不満点だと思います。モーションキャプチャーを活用した登場人物の動きであったり、主人公の特殊能力、ストーリーに本当に必要なのか疑問なキャラクターであったりととにかく無駄が多い。

モーションキャプチャーを取り入れた登場人物の挙動はどこか不自然で、映像作品ではキャラクターの動きであったり仕草などから登場人物が何を考えているのか理解したり考察したりすることが楽しみの一つであったりする。

しかし、この作品では特に意味もなくキャラクターを滑らかに揺らしているだけので、そういった楽しみ方は全くできません。こういった、とにかくキャラクターに動きを与えれば良いんでしょといった考え方は映画制作において非常にナンセンスだと感じました

また主人公の謎の特殊能力も全く作品に生かしきれてないです。主人公は怒りや恐怖の感情から世界の時を止めることができるのですが、この能力を使ってすることが新聞代の集金です。

時間が止まっていることで主人公がする行動が新聞代を支払っていない人の家に上がり込んでお金を回収すること。新聞代を滞納していることは確かに良くないことではありますが、だからといって勝手に家に入りお金を回収するのは道徳的に間違っていると思います。

後半で主人公と同じような能力をもったキャラクターも登場しますし、テロ組織とのストーリーも始まり物語が面白くなっていきそうな流れにはなってはいるものの、新聞代の回収のお話に尺を使い過ぎてしまったために、後半の本当に映画で描きたかった部分が全く描けていないという残念な結果となってしまいました。

ラストも状況は全く進展せずに、主人公も特に成長もしない。物語を見終わった後に何も残らない虚無な作品でした。

総評

本作は、専門用語、ストーリー、キャラクターの動きなど無駄な要素だけで成り立っているようなつまらない作品だと思いました。

未曾有の大災厄とは現実に起こった災害を映画の中でぼかして言い換えたものですが、こういった無駄に言い換えた専門用語が無駄に多く出てきて、ストーリー自体に全く魅力がないため理解する気も失せてきてしまいます。

キャラクターの動き、モーションキャプチャーを活用した動きが変で、無駄にキャラクターを動かしているだけなので映像作品としても終わっています。

見終わった後に面白いと思える要素が何もなく、物語も特に発展せずに消化不良な結末となりますし、何よりも主人公が何も成長していません。

キャラクターの成長も描かず、ストーリーも発展しない本当に虚無でひどい作品でした。wowowだけの配信で多くの人の目に止まらなかったことだけが救いの作品です。

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