映画評価

”カンヌ国際映画祭出品作品、早川千絵監督の注目映画作品『ルノワール』”

レッド

映画『ルノワール』レビュー

カンヌ国際映画祭出品作品として公開前から注目されていた早川千絵監督の渾身の一作。

キャストは沖田フキ役に鈴木唯、沖田詩子役に石田ひかり御前崎透役に中島歩、北久理子役に河合優実となっています。

口コミなどを見ると、見る側に映画を通して早川千絵監督が伝えたい事を委ねる描き方となっているため、肯定的な感想を抱いている人と、否定的な批評をしている人で評価が分かれている賛否両論な印象を受けました。

私の感想としてもどちらの感想にも納得できるし評価の難しい映画だと感じました。その理由を解説していきたいと思います。

それでは、映画『ルノワール』のレビューをさせていただきます。

ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。

作品紹介・あらすじ

引用:カンヌ国際映画祭コンペ部門出品!早川千絵監督最新作『ルノワール』60秒予告/6月20日全国公開

あらすじ・解説

長編初監督作「PLAN 75」が第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でカメラドール(新人監督賞)の次点に選ばれるなど、国内外で高い評価を得た早川千絵監督の長編監督第2作。日本がバブル経済のただ中にあった1980年代後半の夏を舞台に、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女フキの物語を描く。2025年・第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、早川監督にとってデビューから2作連続でのカンヌ映画祭出品となった。

1980年代後半。11歳の少女フキは、両親と3人で郊外の家に暮らしている。ときに大人たちを戸惑わせるほどの豊かな感受性を持つ彼女は、得意の想像力を膨らませながら、自由気ままに過ごしていた。そんなフキにとって、ときどき覗き見る大人の世界は、複雑な感情が絡み合い、どこか滑稽で刺激的だった。しかし、闘病中の父と、仕事に追われる母の間にはいつしか大きな溝が生まれていき、フキの日常も否応なしに揺らいでいく。

マイペースで想像力豊かなフキが空想にふけりながらも、周囲の大人たちの人生に触れていく様子を通して、人生のままならなさや人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアをもって描く。フキ役はオーディションで選出され、撮影時は役柄同様に11歳だった鈴木唯。フキの母・詩子を石田ひかり、父・圭司をリリー・フランキーが演じるほか、中島歩、河合優実、坂東龍汰らが顔をそろえた。

2025年製作/122分/G/日本・フランス・シンガポール・フィリピン合作
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2025年6月20日

ルノワール : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 – 映画.com

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感想

ルノワールの意味、芸術か娯楽か捉え方で評価が変わる

まず、初めに私は監督と脚本家は基本分けるべきだと考えています。理由は、宮崎駿監督や新海誠監督などの一部の天才を除き、監督が脚本を行ってしまうと娯楽性が失われ物語に引き込む力が失われてしまうからです。

ストーリーの構成は、映画に引き込むための重要な要素であり、やはりプロが行った方がより物語に引き込まれると思います。例えば、是枝裕和監督の作品で言えば『万引き家族』は監督も脚本も是枝監督です。決して『万引き家族』が悪い訳ではありません。

量産型の邦画と違い、独特雰囲気があり見応えのある映画作品であったことは間違いありませんが、脚本の部分を切り取って評価してしまうと優秀な脚本家のストーリー構成と比較すると見劣りしてしまいます。どちらかというと脚本というより、撮影や表現方法などから引き込まれた映画と言う感想です。

そのためその後の作品、映画『怪物』などでは監督は是枝裕和で、脚本家は坂本裕二に役割分担されています。

この映画においても、早川千絵監督が監督業と脚本家の役割を担ってしまった弊害が出てしまっており、主人公である沖田フキの気持ちの変化や、大切な人が突然いなくなってしまうことに対する向き合い方や周囲の人達の反応などが淡々と描かれており娯楽作品として観ると少々退屈に感じてしまいました。

しかし、芸術作品として観れば早川千絵監督が描きたい事がダイレクトに伝わってきますし、映画としての完成度は決して低いものではありません。そのため、面白いかつまらないかで評価するのが難しい映画だと感じました。

映画としてクオリティは高いと感じましたため芸術作品として観れば評価は高いが、娯楽性の面で評価すると退屈でつまらない作品だと感じました。

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