映画評価

映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』レビュー

レッド

”青春映画としてクオリティは高いが尺不足”

監督は『宇宙よりも遠い場所』を手掛けたいしづかあつこ

『宇宙よりも遠い場所』が大好きな作品なので公開が決定した当初から期待せずにはいられなかった作品です。実際に鑑賞した感想としても『宇宙よりも遠い場所』と同様にキャラクター性と青春描写においては素晴らしい作品だと思いました。

しかし、その反面で残念なところも目立ってしまった作品のように感じました。

ネタバレは多少していますので、一応ネタバレ注意でお願いします。

それでは映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』レビューしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

解説

その感動は世界へ―。

日本を飛び越え、世界中で絶賛された大ヒット作『宇宙よりも遠い場所』を手掛けた
いしづかあつことMADHOUSEによる最新作『グッバイ、ドン・グリーズ!』。
本作で描かれるのは、少年たちの奇跡のような出逢いの物語。
誰もがあの時期に感じた痛みや喜びが、ユーモラスにも瑞々しく描き出される。 少女たちが南極大陸を目指した『宇宙よりも遠い場所』と同じく、今回の舞台も日本だけにとどまらない。 いつもと違う夏休みから始まる冒険の果てに、ロウマたちがたどり着くのは、炎と氷の国・アイスランド。 自らを見つめ、世界を超えて、その先で手にしたものとは……。

『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』でも話題を博したいしづかは、今回が劇場オリジナル作品初監督で脚本担当。 また、キャラクターデザインには、『宇宙よりも遠い場所』でもいしづかとタッグを組んだ吉松孝博。 声の出演には、花江夏樹、梶裕貴、村瀬歩、花澤香菜など実力・人気を兼ね揃えた声優陣が集結。
主題歌を[Alexandros]が担当。
運命的なめぐり合わせをきっかけに、物語においても、映画作りにおいても、 〈ドン・グリーズ〉は小さな場所から大きな世界へ広がり、新たなステージを目指すこととなる。
誰もが共感できて、誰もまだ触れたことのない世界。本作で描き出される冒険が、 少年たちのこれまでとこれからだけでなく、観る人の物語観と人生観も今とは違ったものにしていく。

2022年、あなたの“LIFE”生き方を変える新たなアニメーションが誕生する。

INTRODUCTION -映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」公式サイト- (donglees.com)

ストーリー

東京から少し離れた田舎町に暮らす少年・ロウマ。
周囲と上手く馴染むことができないロウマは、
同じように浮いた存在であったトトと二人だけのチーム”ドン・グリーズ”を結成する。
その関係はトトが東京の高校に進学して、離れ離れになっても変わらないはずだった。

「ねえ、世界を見下ろしてみたいと思わない?」

高校1年生の夏休み。それは新たに”ドン・グリーズ”に加わったドロップの何気ない一言から始まった。
ドロップの言葉にのせられた結果、山火事の犯人に仕立て上げられてしまったロウマたちは、
無実の証拠を求めて、空の彼方へと消えていったドローンを探しに行く羽目に。
ひと夏の小さな冒険は、やがて少年たちの“LIFE”生き方を一変させる大冒険へと発展していく。

STORY -映画「グッバイ、ドン・グリーズ!」公式サイト- (donglees.com)
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感想

本作は『宇宙よりも遠い場所』のスタッフが集結して制作された映画としてPRされ注目されていた。実際鑑賞した感想としては『宇宙よりも遠い場所』と同じように青春という要素が観ている人にも伝わる良い映画だと感じました。

しかし、キャラクターの心理描写だったり成長していく過程に尺が足りていないと感じてしまうところも多々見受けられ例えばドロップが”ドン・グリーズ”加わった理由も物語の序盤では全く説明されないまま物語が展開していくため、序盤では描写不足と感じてしまいドロップというキャラクターに感情移入がしにくいのがもったいないです。

ですが、ロウマとトト、ドロップの青春の描写は見応えがあり、とあることから山火事の犯人にされてしまい、無実の証明をするために映像の残っているドローンを探しに小さな冒険をするわけですが、この冒険の描写は良くできていると感じました。

同じことをしているのに感じ方がキャラクターによって異なる点や、現在の自分たちにとって何が足りないのかを模索している彼らからはキャラクター性が際立っており、しっかり生きているキャラクターとなっていました。

この点は『宇宙よりも遠い場所』のいしづかあつこ監督の魅力が詰まっているなと感じるところでもあります。現実でも同じ体験をしていても感じ方は人それぞれ違いますし、映画の感想一つとっても感想は十人十色です。

ただ、それこそが人間でありキャラクターに感情移入させる上では重要なことだと思います。しかし、本作は残念なポイントとして尺が足りていないと感じる部分が多くラストに物語が唐突に予想もできないほどの急展開となり、賛否が分かれるとしたらストーリーが突拍子もなく展開される点やキャラクターの心理描写が不足している点だと思います。

良い部分が沢山詰まっている分、残念な部分が非常にもったいない作品だと感じました。

総評

『宇宙よりも遠い場所』のスタッフが集結して制作された映画ということで期待値の高い作品でした。実際に鑑賞した感想としても『宇宙よりも遠い場所』と同様にキャラクターの人間味だったり興味深く描くことにおいては、非常に素晴らしい作品だと思いました。

一つの物事に対しての考え方が人によって異なる点や、冒険を通してお互いの感情をぶつけながらよりお互いを理解していく青春描写においては本作において一番の見所だと感じます。しかし一方で映画の尺自体が短く気軽に観れるという長所がある反面、致命的な尺不足だと感じました。

もにこれが、『宇宙よりも遠い場所』と同じようにテレビアニメとして十分な尺が担保された状態で制作されたら化けた作品になったと思います。

しかし、良い所はしっかり作品の中に詰め込まれている映画なので総合的に評価すると充分に良作と言える作品だと思います。賛否が分かれる作品ではありますが青春映画で何か面白い作品を探している人は観て損はない映画だと思います。

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