映画評価

映画『そして、バトンは渡された』レビュー

レッド

”邦画の悪い部分が出てしまった映画”

監督は『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲。

キャストは永野芽郁、田中圭、石原さとみ、岡田健史などとなっています。

2019年の本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」の実写化ということで、期待して観に行ったのですが、感想としては期待外れでした。

ネタバレは全開となっていますので、ネタバレ注意でお願いします。

それでは映画『そして、バトンは渡された』のレビューをしていきたいと思います。

作品紹介・あらすじ

作品紹介

2019年の本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」が待望の映画化!

主演は、原作の大ファンでもあり「この役は絶対に自分が演じたい!」と熱い想いを実現させた永野芽郁。

共演は、2021年「父親にしたい俳優No.1」に選ばれた田中圭。血の繋がらない父娘という全く新しい親子像を感動的に演じ切る。

“理想の女性”として常にその生き方が注目される石原さとみは、物語のキーパーソンとなるシングルマザーで初の母親役を演じる。

さらに天才子役の稲垣来泉、実力派の市村正親や大森南朋、飛躍中の岡田健史、若手からベテランまで豪華キャストが集結した。

そして『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督の確かな演出力によって、感動の小説は感動の映画へと導かれた。

INTRODUCTION&STORY|映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルサイト | 大ヒット上映中! (warnerbros.co.jp)

あらすじ

血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子は、わけあって料理上手な義理の父親、森宮さんと2人暮らし。

今は卒業式に向けピアノを猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり…。
一方、梨花は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたんに目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。
そして、優子の元に届いた一通の手紙をきっかけに、まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。

「優子ちゃん、実はさ…。」森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。父が隠していたことは? 梨花はなぜ消えたのか? 親たちがついた〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉とは一体何なのか。
2つの家族がつながり、やがて紐解かれる《命をかけた嘘と秘密》。物語がクライマックスを迎え、タイトルの本当の意味を知ったとき、極上の驚きと最大の感動がとめどなく押し寄せる─。

INTRODUCTION&STORY|映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルサイト | 大ヒット上映中! (warnerbros.co.jp)

感想

悪い邦画の典型例として、無理やり感動ストーリーにもっていこうとすること。本作でのストーリーはまさにその典型です。

ストーリーの前半では梨花の自由奔放で自己中心的な行動によって振り回されるみぃたんと周りの登場人物が描かれ、後半では自己中心的な行動をとっていた梨花を正当化するように話が構成されています。

梨花は性格も最悪でお金目的のために次々と男を乗り換え、梨花に関わった人の人生を漏れなく台無しにしていきます。最初は、このどうしようもない親に振り回されながらも懸命に生きていくみぃたんを描いていきたいのかなと思ったのですが、予想の斜め下をいく展開となりました。

実は梨花は体が弱っており、長く生きられないことを理解していたため、これまでの自由奔放な行動はみぃたんのためにやってきたことだと明かされます。おそらくここで感動してねということなのでしょうか。病気を何でもかんでも許される魔法の言葉のように使うのやめませんか。

病気で長く生きられないなら、娘の前から突然姿を消しても良いのでしょうか。異性として興味もないのに保険金目的で男に近づいて良いのでしょうか。色んな人の人生を滅茶苦茶にしても良いのでしょうか。

確かにみぃたんのためにしてきたことは多いのかもしれませんが、自分本位で他人を振り回したことも事実としてありますし、そのせいで周囲の人達を不幸にしたことも事実です。

まあ、この映画ではご都合主義で何もかも上手くいくんですけどね。登場人物の心理描写も滅茶苦茶で梨花の周囲の人達がとにかく良い人として描かれており、全く人間性がありません。

病気のことを知っているから利用する目的のためだけに一緒になろうとする梨花を許してくれる泉ヶ原さん。全てを犠牲にしてでもみぃたんの父親であることを第一に考えてくれる森宮さん。

人間って良い所もあれば悪い所もある生き物ですよね。この映画に出てくる登場人物は善悪で言えば善の部分しか描かれていません。全てを受け入れて、全てを許して、全てに感謝する。そんな善人しか描かれません。もっと人間を描きましょうよ。

総評

梨花に人生を振り回された善人達のストーリーなので、梨花以外のキャラクターに不快感を抱くことはありません。とにかく人間の綺麗な部分だけを描き、汚い部分を全く描かないことを徹底しています。

人間って綺麗な部分もあれば汚い部分も誰もが持ち合わせていると思います。しかし、この作品では梨花を除く全ての登場人物は綺麗な部分しか描かれていないため人間性が皆無です。

梨花の自己中心的な行動も病気で長く生きられないという理由から、育児放棄、財産目当ての結婚など全てを受け入れて、全てを許して、全てに感謝してくれる。

もっとキャラクターの描写をしっかりしましょうよ。出てくる人間は仏様か何かなのでしょうか、違うならもっと人間を描きましょうよ。

Twitterからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
フォローお願いします。
ABOUT ME
記事URLをコピーしました