”ディズニーの救世主、『リロ&スティッチ』”

映画『リロ&スティッチ(2025年の映画)』レビュー
最近、『ピノキオ』『リトル・マーメイド』『白雪姫』などの実写映画で大コケしており良いとこなしのディズニー映画ですが、その流れを変えるべく公開された映画『リロ&スティッチ』
感想としては、ここ最近のディズニー映画では面白い、誰かにオススメできる作品となっていました。家族で観るにも、友達と観るにも、カップルと一緒に観るにも楽しめる作品となっています。
これまでの『ピノキオ』『リトルマーメイド』『白雪姫』などの炎上した実写作品と違う一番のところは、『リロ&スティッチ』という作品の作風にあると思います。
それでは、映画『リロ&スティッチ(2025年の映画)』のレビューをさせていただきます。
ストーリーのネタバレは基本していませんが、少しストーリーにふれた感想を書いているためその点は注意してください。
作品紹介・あらすじ

あらすじ・キャスト
ディズニーの人気アニメシリーズ「リロ&スティッチ」を実写映画化。ハワイを舞台に、地球に不時着した暴れん坊のエイリアンのスティッチと、ひとりぼっちの少女リロの出会いと交流、家族の絆を描いたハートフルファンタジー。
両親を亡くした少女リロと姉のナニ。ひとりでリロを育てようと奮闘するナニだったが、若すぎる彼女は失敗ばかり。離れ離れになってしまいそうな姉妹の前に、見た目はかわいらしいのに、ものすごく暴れん坊な不思議な生き物が現れる。その生き物は、違法な遺伝子操作によって破壊生物として生み出された、「試作品626号」と呼ばれる地球外生物(エイリアン)だった。そんなことは知らずに、リロはその生き物を「スティッチ」と名付けて家に連れ帰る。予測不可能なスティッチの行動は平和な島に混乱を巻き起こすが、その出会いがやがて思いもよらない奇跡を呼び起こし、希望を失いかけていた姉妹を変えていく。
監督は、アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた「マルセル 靴をはいた小さな貝」で注目を集めたディーン・フライシャー・キャンプ。2002年製作のアニメ映画版「リロ&スティッチ」の監督であり、同作でスティッチ役の声優も務めたクリス・サンダースが、本作でもスティッチの声を担当。日本語吹き替え版も、アニメ版と同じく山寺宏一がスティッチの吹き替え声優を務めた。2025年製作/108分/G/アメリカ
原題または英題:Lilo & Stitch
配給:ディズニー
劇場公開日:2025年6月6日
リロ&スティッチ : 作品情報・キャスト・あらすじ – 映画.com
前提と感想
ディズニーの実写映画が炎上、大コケしてきた理由
そもそも、『ピノキオ』『リトル・マーメイド』『白雪姫』の実写映画が何故炎上してしまったのか、また興行収入が振るわず大コケしてしまったのか、それは無理やりねじこまれたポリコレ要素に対して嫌悪感を抱いてしまった人が多くいたからです。
例えば、実写版『ピノキオ』では、妖精のブルー・フェアリーを何故か黒人に演じさせました。明らかにアニメ版のブルー・フェアリーのイメージにマッチしていないし、アニメ版のブルー・フェアリーの再現性を高めようとするなら、キャラクターとキャストのミスマッチとしか言えません。

実写版『リトルマーメイド』では、アリエルに黒人の女性のハリー・ベイリーを起用明らかにアリエルを再現しようとすることに重きを置いたのではなく、多様性の要素を入れたいがためにキャスティングしたとしか思えません。

そして、ポリコレの集大成でもあるのが実写版『白雪姫』、まさかの作品の設定まで変更して無理やりポリコレ要素を盛り込んでいます。

白雪姫というキャラクターは雪のように白い肌、血のように赤い頬や唇、黒檀の窓枠の木のように黒い髪が特徴です。しかし実写版で主演を務めたレイチェル・ゼグラーは白人ではないため原作通りの設定では映像と設定で矛盾が生じていまいます。つまりこれも、再現性重視のキャスティングではなく、ポリコレに配慮することを最優先としたキャストの起用という訳です。
その後、ポリコレ以上に主役のレイチェル・ゼグラーが暴走して炎上して、興行収入としても爆死して大コケしていまいました。
悪い流れをぶった切る久しぶりの良作の実写映画

まず、『リロ&スティッチ』自体最初から黒人の女性が主人公であるため、これまでの無理やりなキャスティングではなく自然で的確なキャスティングとなっています。
また、リロのお姉ちゃんであるナニの掘り下げを原作以上にしており、実写版『リロ&スティッチ(2025年の映画)』のほうがよりリロとナニの絆を感じさせてくれるのもポイントが高いです。
実写版『リロ&スティッチ(2025年の映画)』を観た率直な感想としては、これまでのディズニーの批判されてきたポイントが『リロ&スティッチ』という作風により目立たずに、スティッチが家族(居場所)を見つける物語として、非常に綺麗にまとまっている作品といった感想です。
しかし、アニメ版を観たことのある人にとっては改変部分が気になる人も多いと思います。例えばジャンバ博士は最後まで本作のヴィランとして立ちはだかりますし、スティッチが『みにくいアヒルの子』を読み自分と重ねるシーンのカット、悪役のガンドゥ大尉が登場しないなどアニメ版との改変部分は多岐に渡ります。
必要性の感じない改変部分も多くあることは認めますが、それでもアニメ版を知らずに本作単体として観ればここ最近のディズニーの実写映画の中では群を抜いて傑作だと思います。
ここ最近のディズニーの実写映画に失望している人にこそ是非見ることをオススメする作品です。まさか『スティッチ』というキャラクターがディズニーを救うキャラクターになるとは一昔前は思いもしませんでした。